2004年 1月 21日(水)

ノスタルジック趣味

JG1SPS
アマチュア無線のコールサイン(呼び出し符号)です。私の無線局以外に誰にも割り当てられていません。つまり、世界の無線局の中から私の無線局を識別するための符号です。もうアマチュア無線もノスタルジックな趣味になってしまいましたねぇ。
 私も一時期ハマりました。「ああ、こんな遠くまで電波が飛んでいるんだぁ」と実感しました。短波での交信で、アルゼンチンや昭和基地と交信できたとき、UHF(携帯電話の周波数より低くてFM放送より高い周波数)のトランシーバを持って車で山の上に登り、電波を出してみると静岡や岐阜と交信が出来たことに感動してた(通常だと、自宅から半径50kmくらい)。交信の証を2000枚ほど交換しました。でも、インターネットに出会ってから、女の子と遊ぶようになってから・・どうでもよくなっちゃった(^^; 新しい人がこないからつまんないんだもん・・。

この符号を取るためには、国際的に取り決めたルールに則って、ある一定の知識と技量を保持している人物でなければなりません。日本では総務省がその知識と技量を判定する認定機関になります。

この試験は「無線従事者国家試験」として、総務省から委託された団体が行っています。アマチュア無線はレベルによって1級から4級まであり、行使できる権利はそのレベルによって違います。1級だとアマチュア無線に認められている全ての周波数に、出力無制限で操作することができます。自動車免許風にいえば、「限定解除」です。以下、2級は出力制限のみ(200Wまで)、3級は周波数と出力(50Wまで)、4級は3級より更に周波数と出力の制限(20W)がかかります。自動車の免許と似ていて、海外でも通用します。(その国の制限と、日本の制限を合わせたものになります)

 実際に電波を出すためには、無線局の免許が必要になります。この無線局に対してユニークに割り振られるのが、最初に書いたコールサインになります。インターネットの世界でいえばIPアドレスです。車でいうと車検証かな・・。無線従事者免許と、無線局免許状の二つがそろって晴れて無線の世界にデビューができるわけです。

しかし、今は「無線をしよう〜!」と実行する人は減ってます。アマチュア無線局が集まる任意団体で日本アマチュア無線連盟というのがあります。ピーク時には約18万人が居たが、次第に減り今は半減以下になっている。新しい人がほとんどこないのです。夏休みにハムフェアというアマチュア無線のイベントがあります。子供に興味を持ってほしいから小中学生は入場料をタダにしてます。でも実態は、だんだん老人クラブ化してます(笑)

 いまの無線を取り巻く環境が悪すぎます。携帯電話やインターネットなどの類似手段の登場や、カラオケボックスやスポーツなど時間の利用方法の分散化。昔、アマチュア無線は「趣味の王様」と言われました。技術力を鍛えるのには最適な点と、当時としては外国と話が出来る、という画期的な点から言われていました。

いまですと「浪費の王様」かな・・(笑)車と似ています。たとえば、遠くの外国と無線で交信したいとなると、出力を増幅するためのアンプや、利得を高くするための大きなアンテナと、電波は少しでも高いところから発信すると遠くまで飛ぶためにアンテナを乗せるためのタワー、受信した電波のロスを逃さずに無線機まで送り届けるための太いケーブル、そして、雑音の中から目的の信号を選択するためにDSPなどをつんだ高性能な無線機。装備にこだわらないとならないのです。

 一方、インターネットや携帯電話だったらメールや声で相手とコミュニケーション(交信)ができます。極端なことをいえば、電車に乗っているときに、アメリカにいる友人と気軽に文字や声で会話が出来るのです。特別な資格や技術は要りません。お金を出せば誰でも世界中とつながります。

アマチュア無線は「つながるまで」が面白い。電波は天候や宇宙の状態に影響され、いまと同じように交信が出来るか、それはわかりません。つながった後にする会話は、ほとんどこんな感じです。「ああ、つながりましたね。じゃ、お互いに証明書を発行しましょう。こっちはいい天気です。そっちはどうですか? じゃ、またおあいしましょう。さようなら。」

 携帯電話やインターネットは「つながった後」が面白い。つながることはほぼ確実なのであるから、その後のつながった後のメールやビデオチャット、オンラインゲーム、そしてWWWなど様様なアプリケーションがあり、どちらに興味を惹かれるか・・と聞けば・・結果は明らかですね。

 つながるまでの過程は基本的にはいっしょです。相手を呼び出し、疎通を確認した後に、データのやり取りし、後始末をして終了。インターネットや携帯電話はその部分は自動化されてブラックボックスですので難しいことは考えず、誰にでも利用できます。

無線はそこを自分で作ったり、調整する必要があります。その為には、電気・電子工学の知識が必要です。小さいときから理科に興味がないとまず足を踏み入れてくれないでしょうね。今から思うと、私が子供の頃はそんな環境が整っていたような気がします。同世代の人たちは「子供の科学」で科学について興味を持たせて、ちょっと難易度の高い「ラジオの製作」「初歩のラジオ」に進んだのでは無いかなぁ? ついでですが、私の子供の頃に「マイコン」が流行り始めました。ASCII、I/O、RAM、月刊マイコン、月刊マイコンベーシックマガジン等、今、コンピュータ産業の第一線で働いている人なら絶対に読んでいたでしょ? それと同じです。

あと、大手町にある電気通信科学館と逓信総合博物館の存在も大きかった。電気通信科学館は通信について展示してあり、ISDNやキャプテンシステムやテレビ電話の体験が出来ました。(電電公社からNTTに移行する時に無くなり、逓信総合博物館に統合しました。ちなみに、電気通信科学館があった今のNTTデータ大手町ビルはJPIX第2大手町と、日本のインターネットのバックボーンになっとります)秋葉原も影響が大きかったですな。昔は無線関係の店が今のパソコン屋並とは行かないですが、たくさんありました。

 今は子供の時間がゲームなどに向かってしまい、科学に向いてくれない。だから雑誌が売れない。その結果、「ラジオの製作」や「初歩のラジオ」は廃刊になりました。雑誌が無いから、お手本として示せるものが無くなる。そうすると科学を教えることが無くなり、最初に戻る・・といった悪循環になってます。

 国の予算でこーいった子供向け雑誌を復活してもらえんでしょうかねぇ・・。少しは興味をもってくれる子はいると思うんですよね。

PS2やゲームキューブ、ゲームボーイアドバンスや携帯電話はどうやって動いているんだろう?という小さな興味を育ててくれるだけでいいんです。そうすれば、少しは科学に興味を持つ子が増える→無線にも興味を持ってくれる子が増える・・と甘いかなぁ。


Posted by thomas at 2004年01月21日 15:02 | トラックバック / アフィリエイトはエーハチネット

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